雄大な北アルプスを背景に長野県北安曇郡松川村に世界最大規模の絵本美術館「安曇野ちひろ美術館」があります。
美術館には子供の水彩画で有名な絵本画家いわさきちひろと世界の絵本画家の作品が収蔵され、松川村営の安曇野ちひろ公園内に立地しています。
子供の水彩画に代表されるいわさきちひろの絵は誰もが一度は目にしたことのあると思います。
いわさきちひろの描く子供の表情はとても穏やかですが、1972年イタリアで毎年開催されるボローニャ国際児童図書展でグラフィック賞第一席を受賞したとき、ドイツ人審査員は「この作品は弱さの中の強さだ」と言ったそうです。
そんな、いわさきちひろの作品が展示されているこの美術館は絵本をテーマにしていますが子供楽しむというだけではなく、大人も引き込まれ楽しめます。
美術館の建つ広い公園は子連れでも楽しく遊べます!
もともと長野県北安曇郡松川村は、いわさきちひろの両親が戦後に開拓農民として暮らしたという縁がありました。
そこで、東京の「ちひろ美術館」の開館20周年記念の際、姉妹館として「安曇野ちひろ美術館」を松川村に開館しました。
もともと村では「ハートフルパラダイス文化公園」の名で公園を整備していましたが、1996年6月に安曇野ちひろ美術館が完成したのを受け、安曇野ちひろ公園として設置しなおしました。
公園は“「食」「農」「いのち」について体験的に遊び・学べる場所”をコンセプトに体験農園、雑木林ゾーン、体験交流館、トットちゃん広場、安曇野ちひろ美術館が配置されています。
駐車場前には「すずむしの庭」という広場があり、護岸のデザインも自然につくられた池があります。その隣には「パツォウスカーの庭」があります。
チェコの絵本画家でアーティスト、「色彩の魔術師」と称されるクヴィエタ・パツォウスカーがデザインしたカラフルな石のオブジェ8つと、同じくパツォウスカーがデザインした大小2つの正方形の池があります。
また、公園北側には花畑があり、「花が咲いている村づくりの会」の方々により春にはパンジー、夏にはブルーサルビア1万株が栽培されとてもきれいです。
安曇野ちひろ美術館おすすめのポイント3選!
安曇野ちひろ美術館でぜひ押さえておきたいのおすすめポイントが3つあります。
ファーストミュージアム
安曇野ちひろ美術館は子どもたちが人生で初めて訪れる美術館(ファーストミュージアム)として赤ちゃんや小さいお子様にも楽しめるようにつくられています。
例えば作品の中心が床から135cmの高さに展示され大人はもちろん、小さいお子様でも見やすい展示になっています。
そして、絵本カフェや国内外の絵本3,000冊をそろえてる絵本の部屋があります。絵本の部屋では毎月第2・4土曜日の午前11時~、無料で絵本の読み聞かせや、素話などお楽しみいただけます。参加は自由です。
他にも赤ちゃんや小さいお子様のための子どもの部屋があります。子どもの部屋は木や布のおもちゃがあり、靴を脱いで上がるのでゆっくりと遊べます。
親子で楽しめる展覧会やイベントを随時開催しています。また、授乳室(給湯器付個室)も完備(男性用トイレを含む)され、全てのトイレにベビーキープとベビーシートを設置いるので安心です。
さらに、先ほど触れましたパツォウスカーの庭にある四角い池はタイル張りで、深さも10cmと安全でお子様の水遊びにはもってこいです。実際、夏になると池で大はしゃぎする子供たちの姿が見られます。ただし、日影がありませんので帽子を持っていかれることをお勧めします。
「窓ぎわのトットちゃん」の世界を再現したトットちゃん広場
トットちゃん広場では『窓ぎわのトットちゃん』の世界を再現しています。かつて黒柳徹子さんが通った東京都のトモエ学園にあった鉄道車両の校舎「電車の教室・図書室」と「トモエの講堂」が再現されています。
校舎再現にあたり松川村が長野電鉄から電車を譲り受け電車の図書室と教室を再現しました。電車の図書館は500冊の本を自由に読めるように開放されています。
美術館周辺の散策
美術館の周りには建物も少なく、見晴らしの良い景色が楽しめます。
北アルプスやあたり一面の田園風景、美術館のすぐ裏手には乳川(ちがわ)という清流が流れ、川辺の道を散歩できます。ちなみに公園内の池の水はこの川から引かれています。
安曇野ちひろ美術館・安曇野ちひろ公園の基本情報
【概要】
※美術館は公園内にありますが、住所は異なります。また、公園の管轄は松川村となるので電話番号なども異なります。
●安曇野ちひろ美術館
長野県北安曇郡松川村西原3358-24
HP:https://chihiro.jp/azumino/
電話番号:0261(62)0772
テレフォンガイド:0261(62)0777
●安曇野ちひろ公園
長野県北安曇郡松川村西原3358-97
HP:http://chihiro-park.org/
電話番号:0261(85)8822
FAX番号:0261(85)8899
【休館日】
※冬期は開館日や開館時間が変更となる場合がありますので、詳しくはお問い合わせください。
●安曇野ちひろ美術館
第4水曜日(祝休日は開館、翌平日休館)
※GW・8月は無休
※冬期休館 12月~2月末日
※展示替えのための臨時休館あり
詳しくは美術館にご確認ください。
9:00~17:00(GW・お盆は18:00まで)
●安曇野ちひろ公園
常時開園(入園無料) ※各施設には開館時間・休館日があります。
(トットちゃん広場・体験交流館)
3月~11月 第4水曜日
12月~2月 水曜日
年末年始 12月29日~1月3日
9:00~17:00
【入館料】
●安曇野ちひろ美術館
大人800円、高校生以下無料
団体(有料入館者20名以上)、学生証をお持ちの方、65歳以上は700円/障害者手帳ご提示の方は400円/介添の方は1名まで無料/視覚障害のある方は無料となります。
東日本大震災の罹災証明書、または被災証明書をご持参の方は、受付にて入館料が無料。また、お得な年間パスポート(2,500円)もあります。
【アクセス方法】
・電車
JR大糸線「信濃松川」駅より約2.5km(タクシー5分、レンタサイクル15分、徒歩30分)
・マイカー
長野自動車道「安曇野」I.C.より約30分
※駐車台数 150台(第1・2駐車場合計) 大型バス 8台(第1駐車場) 身障者用 4台
【混雑情報】
美術館周辺の道路に渋滞はありませんが、GW、夏休みには駐車場が混雑することはあります。
【ホームページ】
https://chihiro.jp/azumino/
安曇野ちひろ美術館のまとめ
大人も子供も楽しめる安曇野ちひろ美術館はのんびり一日過ごすことができます。イベントも多数行われているのでリピーターになる方も多いですね!