御船神事例大祭は穂高神社お船祭りの名で親しまれ、大きな船の形をした大小5艘の山車が登場します。
山車は町や田畑の中を曳行します。5艘のうち2艘(穂高区の睦友社、穂高町区と等々力町区(合わせて両町区)の健壮団)は大人船と呼ばれ、長さ12m、巾3m、高さ5.6m、重量約5トンにもなる大きな山車です。
残りの3艘(穂高区、穂高町区、等々力町区)は子供舟と呼ばれる小さな山車ですが、それでも、長さ8.4m、巾2.4m、高さ4.3m、重量約3トンの大きさがあります。
このお祭りの最大の見どころは穂高神社内で大人舟をぶつけ合う勇壮なお船合戦です。
そして、お御船祭りには1つの謎があります。それは海から遠く離れた山深い場所でなぜ船の祭りが行われているかということです。
現在、安曇野で暮らす人々の祖先は安曇族と呼ばれ、もともとは弥生時代に九州の福岡市周辺にいた阿曇という海人族であったらしいとされています。
彼らが安曇野に来た理由には諸説ありますが、九州から船で新潟まで北上し、姫川を遡って移住したということです。
そのため安曇野市には穂高神社の他にも潮神明宮、重柳八幡宮、住吉神社、熊野神社などでお船祭りが行われています。
穂高神社よりも規模は小さいですが、これらのお祭りも古くから行われている歴史を感じるものです。
安曇野市 穂高神社のお船祭りは迫力あるお船合戦が見所です!
先ほども書きましたが、なんといってもお祭りの見どころはお船合戦です。
●お船合戦
高さ5.6mの大人舟をぶつけ合う迫力は大変なものですが、実はこの山車の中には人が乗っていて大きな音でお囃子を演奏し続けています。
山車のぶつかる音と大きなお囃子はその場にいなければわからない迫力です。ぶつかる度に見物の人々からは大きな歓声が上がります。是非とも、その場で見ていただきたいと思います。
また、山車の上には人形が飾られて、歴史にちなんだテーマで毎年違ったものが作られています。人形は木偶あるいは穂高人形と呼ばれ木、ワラ、とのこ、にかわなどを用い伝統の技法で作られています。
過去には真田幸村や、那須与一などが作られ、楽しく観ることができます。
安曇野市 穂高神社お船祭りの地元民おすすめのポイント3選!
お船祭りでは山車が迫力満点ですが、それ以外にも地元民ならではのおすすめポイントが3つあります。
ポイント1 雄大な北アルプスをバックにした安曇野の風景
山車はお船合戦の前には船体に布を巻いた状態で北アルプスをバックに町内や田畑の中の道を曳行します。
3000m級の山々が連なる北アルプスと、安曇野の田園は日本の原風景と言われています。その景色の中を通る山車の姿は美しく、何とも言えない情緒があります。
ポイント2 パワースポット穂高神社
お船祭りの行われる穂高神社はパワースポットとしても有名で、長野県では、諏訪大社、生島足島神社と合わせ信濃三社と呼ばれています。
安曇野市穂高に本宮(里宮)、松本市の上高地に奥宮、奥穂高岳山頂に嶺宮があり「日本アルプスの総鎮守」とされています。特に金運、健康運、交通安全にご利益があります。
特にパワーがあるとされるのは拝殿と本殿、拝殿右側にある樹齢500年の孝養杉(木の柵で囲まれしめ縄が巻かれているのですぐにわかります)、若宮社、手水舎のご神水の4か所です。
他にも、表参道左、大鳥居前に樹齢500年の大門のケヤキ、若宮西にも樹齢500年のケヤキがあります。
ポイント3 神社周辺の観光施設
●大王わさび農場
長野自動車道安曇野IC出口から車で約10分。45,000坪にも及ぶ日本一の面積を誇る観光わさび園です。
・営業時間
【3月~10月】9:00~17:20
【11月~2月】9:00~16:30
入場は無料です。
見どころは、大王窟・開運洞、幸いのかけ橋、八面大王の御神水などがあります。園内にはレストランもありお食事もできます。
売店では、大王わさび農場で採れた生わさびやわさびを加工した商品が並んでいます。わさびは栽培時期をずらしているので、一年中新鮮なわさびを味わうことができます。
●吉祥山 東光寺
安曇野ICから車で10分。信州七福神の一つで、門前に朱色の大きな下駄があります。「吉祥仁王様の下駄」と呼ばれ、履けば願い事がかなうといわれています。また、本堂下では御戒壇めぐりができます。
●安曇野の里
安曇野ICから車で10分。ビレッジ安曇野(公共の宿)、プラザ安曇野(お土産物販売)、チロル(お食事・喫茶)、田淵行男記念館(写真家 田淵行男の作品を収蔵)、あづみ野ガラス工房(20分間の吹きガラス体験ができます)
とんぼ玉楽舎(トンボ玉づくりを体験できます)などが集まっています。
安曇野市穂高神社 お船祭りの基本情報
【概要】
正式名称「御船神事例大祭」。一説によると7世紀中ごろに活躍した安曇比羅夫(あづみひらふ)という武将が天智天皇の命により朝鮮半島に出兵、白村江(はくすきのえ)で戦死したことを追悼するために始まった祭りともいわれます。
クライマックスには高さ5.6mにもなる大きな船形の山車をぶつけ合います。
【開催日程】
毎年9月26日・本宮例祭宵祭、9月27日・本宮例祭本祭(御船祭)
【時間】
クライマックスのお船合戦は15:00~16:30頃
【開催場所】
長野県安曇野市穂高6079 穂高神社
【アクセス方法】
JRを利用する場合、松本駅より大糸線で30分、穂高駅下車徒歩3分。
自動車(マイカー)の利用はお勧めできません。長野道安曇野ICより約10分(6.5km)ですが、山車の曳行のため交通規制があり、神社の駐車場も利用できません。近くに有料の駐車場もありません。
【混雑情報】
毎年、かなり混雑します
【屋台情報】
お祭りの屋台が出店します
【実際に行った感想】
9月の安曇野は気候も良くお祭りを見るには最適です。山車の曳行は、お船合戦など見ごたえは十分。
笛や太鼓のお囃子もとてもにぎやかです。荘厳な穂高神社でのお祭りは激しいですが雰囲気も良く楽しめます。
【周辺のホテル】
とくにおすすめは穂高温泉郷です安曇野の道路「山麓線」沿いにあります。ホテル、旅館、ペンションなどがあり、環境省により国民保養温泉地として指定されています。
【周辺の食事場所】
信州はそば処です。穂高にも、
一休庵 安曇野市穂高5957−4
そば処 上條 安曇野市穂高5256−1
常念 安曇野市穂高上原7690
などがあります。
そば以外では、安曇野の道路「山麓線」沿いに20件近くのカフェやレストランなどがあります。